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2015年07月07日『眼窩底骨折』について

 『眼窩底骨折』は眼球を強くぶつけた時に発症します。
ボクシングやレスリング、ラグビーなど強く接触する可能性のあるスポーツは特に発症リスクが高くなります。

 眼窩を構成する骨の中で下方と内方の壁は薄く、特に下方の壁は薄い構造です。スポーツ時などに眼球に急激な外力がかかると眼窩内での圧が高まり、構造的に薄い下方や内方の壁が骨折してしまいます。結果的には眼球にかかる圧力を骨折によって減ずることができるので、眼球破裂という最悪の事態を避けることができていることになります。

 しかしながら、眼球が助かっても骨折し、そこに外眼筋がはさまりこんでしまうと、眼球の動きが制限されてしまいます。多くは一番薄い下方の壁が骨折するので、下直筋という筋肉がはさまりこんで動かなくなって運動障害が生じるために、眼球が上に向きにくくなります。このような時、上方を見るときに二重に見えてしまう複視という症状が出ます。

 また、(筋肉を含む)脂肪などの眼窩内容物が骨折部分から副鼻腔というスペースに脱出してしまうと、その分眼球がくぼんでしまう眼球陥凹という状態になり、整容的な問題が生じてしまいます。
 底が抜けるような形をとるので、このような骨折を「(眼窩)吹き抜け骨折」とも呼びます。

『眼窩底骨折』について
a.眼窩底の骨が折れて、眼の内容物が上顎洞に落ち込んでいる状態
b.手術により眼窩内に戻された眼窩内容物

骨折の程度によっては、経過観察のみの場合もあります。
また、手術を行う場合も程度によって術式等がかわります。
ここではその一例を紹介します。
『眼窩底骨折』について
眼窩底骨折整復術
 a.左眼窩底骨折(黄色は上顎洞に陥屯した眼窩内の脂肪)
 b.骨を持ち上げて眼窩内脂肪を戻している
 c.眼窩内に戻った脂肪組織
 d.バルーンを膨らまして固定
手術後3週間程度でバルーンを取り外す

 参照:聖路加国際病院HP

過去には、長谷川穂積選手、清水智信選手、細野悟選手、江藤光喜選手などの一流選手たちも眼窩底骨折を経験しています。
ボクシングは顔面に打撃を受けるため、スパーリングや試合において発症するリスクが高く、程度の差こそあれ、かなり多くのボクサーたちに見受けられるのです。

ボクシングは危険を伴うスポーツです。
練習中、試合後に少しでも異変を感じたら早めに診断をすることが大切です。
これからも練習生・ボクサーの健康状態には常に細心の注意を払っていきたいと思います。



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Posted by HBSG at 13:10│Comments(0)boxing gym
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